門前払い避けた米政府 「継続使用」伝達のタイミング計る 普天間移設問題(産経新聞)

 【ワシントン=佐々木類】日本政府の2段階移設案について、米国務省高官は産経新聞に対し、「(キャンプ・シュワブ沿岸部へ移設する現行案を見直すという)日本の立場を尊重しており、慎重に検討していく」と語った。だが、「現行案が最善」との立場は変えておらず、日本政府の新提案を受け入れる可能性は低い。最終的には、普天間飛行場を継続して使用せざるを得ないとの考えを伝えるものとみられる。

 ◆「同盟」を重視

 国務省高官は「日米同盟は両国のみならず、地域の平和と安定にとっても重要だ。両国が幅広い分野で緊密に協力を続ける中で、普天間移設問題も解決していけばよい」と述べた。同高官の「(2段階移設案について)慎重に検討する」という言い回しは、ルース駐日米大使と同じ表現だ。

 米議会や軍高官も含めさまざまな外交チャンネルで現行案の履行を求めてきた米政府が、日本政府の新提案について即座に反対を表明する形で「門前払い」しなかったのは、アジア・太平洋地域で中国や北朝鮮の動向が不透明な中、日米関係が決定的に悪化するのを避けたためだ。現行案の履行を促すため、日本側を追い詰めるのは得策ではないとの判断もあった。

 米側は現行案の履行を前提としつつ、見直しに際しては、地元の合意と海兵隊の一体的な運用−を日本側に求める考えだった。

 段階的とはいえキャンプ・シュワブ陸上部に基地を建設する案については、現行案に決まる過程で地元の反対などからすでに却下。ホワイトビーチ沖を埋め立て完成させるまでの15年間、ヘリ部隊をシュワブに移し訓練機能を徳之島などへ分散させる案だと、海兵隊の一体的運用が難しい。

 「地上、航空両部隊、訓練場所、補給施設が同一地域にそろっている普天間飛行場と同等の能力を持つ」(ウィラード米太平洋軍司令官)条件を満たす新たな移設先を見つけるのは不可能に近い。

 ◆2国間協定の破棄

 米政府が移転先の戦略上の理由のほかに、日本政府にいらだちを募らせているのが、2国間協定の破棄だ。

 普天間飛行場の返還は日米両政府の政府間合意だった。だが、海兵隊の一部8千人をグアムへ移転することなどを盛り込んだ2006年の日米合意は昨年、日本側が国会承認して2国間協定となった。米政府内には「政権が代わったからといって2国間協定を破棄したケースを知らない」との不信感が渦巻いている。

 今後、米政府は支持率が下落傾向にある鳩山政権の行方を注視しながら、日本政府に普天間飛行場の継続使用を伝えるタイミングを計っていくものとみられる。

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